インタビュー
ロボット工学を駆使し、建機・重機の遠隔・自動化を推進。
現場のアップデートを目指す。
代表取締役
白久 レイエス樹


Q.建機に着目されたのはなぜですか。
また、どんな社会の実現を目指していますか。
私が米国で開発した中古自動車への後付自動運転キットは、現地でも色々と注目されたものの、公道での自動運転はハードルが高く、ビジネス化する難しさを感じていました。
そのタイミングで建設会社の方から、「建機の遠隔装置や自動運転装置を作ってほしい」と依頼されたんです。建設は全く知らない業界だったのですが、リサーチをしてみると多くの企業が同様の悩みを抱えており、多大なニーズがあることを理解しました。しかも、現場回りを始めてみると、どこも思った以上に危険に溢れています。加えて、建機自体が自動車よりも構造が遅れていたので、自分が培って来たロボット工学の知見を活かせば、建設現場の安全性を確保できるのではないかと考えたのです。
やはり、インフラを守らないといけません。特に日本では、トンネル工事や災害が多いだけに、無人化建機が活躍する場が数多くあります。そこにお届けできればと願っています。

Q.ARAVで働くことで得られるキャリアや
社員に期待することは何ですか。
ARAVは20数名規模の会社なので、まだまだ多様な役割が社員一人ひとりに求められます。エンジニアであれば、さまざまな社会的接点を持ちますし、お客様の声を聞きながら自ら必要な機能を提案したり、実装して納品まで担います。幅広く学べるのは、スタートアップならではの魅力です。
また、お客様の喜びにつながる商品を開発できる点もアピールしたいです。建機に後付けで遠隔装置や自動化装置を提供できる企業は、ARAV以外にはほとんどないからです。その点には、非常に誇りを持っています。
私が社員に期待しているのは、課題解決に向けて真摯に、そして継続的に取り組んでいく姿勢です。建機の自動運転に必要な機能の大枠が、ようやくわかってきました。ただ、現状では技術的な差があります。それをコツコツと埋めていくことに喜びを感じてほしいのです。さらには、建機の遠隔操作や自動運転というカテゴリーを確立するためにも、トップランナーとしての難しさを乗り越えてもらいたいと思っています。

Q.ARAVが取り組む自動化の面白さや
今後の展開をお聞かせいただけますか。
エンジニアは、解く問題が難しいほど面白さを感じる人間ではないでしょうか。その意味でも、自動化はワクワクするようなテーマだと言えます。また、市場も伸び始めており、参画する時期としても今が絶好だと思います。
業界を越えて現場における安全性の未来をつくるという、私たちの取り組みは今後大きく広がっていきます。もはや、土木・プラント・製鉄・建築だけでなく、物流や船舶、もっと言えば、宇宙での建設工事にも進出していきたいと思っています。一貫してこだわっているのは、大型機械であり、屋外で動き、後付けであること。それらの制約条件に対応するだけでも難易度が高く、他にはプレイヤーが存在しません。だからこそ、着実に成長していけると見込んでいます。
それだけに、目指すべき品質に向けて、仲間と共に一つずつ地道に積み重ねていける方を求めています。しかも、「社会に貢献したい」「迫力ある仕事を体感したい」などといった想いをお持ちの方であってほしいです。
Q.これまでのご経歴や「ARAV」を立ち上げた背景、
会社の理念やビジョンをお教えください。
私は、これまで何度か起業を経験してきました。まずは、大学院時代にエンタメ系ロボットを開発する会社を創業。その後、大手自動車会社での勤務を経て、米国シリコンバレーで2社目を創業。トラックに後付けする自動運転システムを開発し、高速道路での自動運転試験を成功へと導きました。3社目として立ち上げたのが「ARAV」です。社名は、“ARCHITECTURAL(建築)”“ROBUST(堅牢)”“AUTONOMOUS(自律的)”“VEHICLES(車両)”の4つの単語の頭文字を組み合わせたもので、「建設業界をDXの力で革新していきたい」という想いが込められています。
ARAVのミッションは、「革新的なロボット技術を駆使し未踏領域の社会課題を解決する」。まだ誰も挑んでいない先端分野に着目していきたいと考えています。また、ビジョンとして「世界に貢献するロボティクスのリーディングカンパニーになる」を掲げています。世界の名だたる企業に打ち勝っていかないといけません。